柴田よしき「フォー・ユア・プレジャー」

読み終わったまま忘れてました。花咲慎一郎シリーズ第2弾! 作品としてのまとまり(なんつーか、ギュッ! と面白さが凝縮されてる感)はやっぱり最初の「フォー・ディア・ライフ」の方がよかったけれど、今回もそれをカバーするキャラクターのいとおしさでベネ。うーんハナちゃんカッコイイ! という感じです。
内容は「無認可保育園の園長兼私立探偵・花咲慎一郎。彼に持ち込まれた人探しは、やがてクスリがらみの危険な仕事に発展する。その上、最愛の女性・理紗が行方不明に……。次々に襲い掛かる無理難題と戦う心優しいハードボイルド探偵に、明日はあるのか!? 読み始めたら止まらない傑作シリーズ第2弾、待望の文庫化!」(裏表紙のあらすじそのまま)といったところです。ネタバレイヤンなので内容はまあ読んでいただきたい。ただ、多分こっちを先に読んで裏ネタがワカランチンだと思うので、第一弾からをお薦めする。
相変わらずハナちゃんが情けなくかっこよく、出てくる女の人もみな魅力的なのになぜかヒロインであるはずの理紗さんにはあまり好感が持てずに難儀しました。ハナちゃんの元奥さんの麦ちゃんと、元セックスフレンドの奈美さんが今回も素敵素敵すってきーー!
つーか、奈美さんとハナちゃんのベッドシーンがないのが大層気に食いません。ホントもう。冗談じゃあないよ。
また、前回の例に漏れず絶妙なところでホモネタを披露してくださる山内さん最高。さ、斎藤×山内萌えーー! 「俺が愛してるのが誰なのかバレたんでまずかったんだ。」これ、今回のMVP(モストヴァリュアボーフレーズ)☆
素敵ゲストキャラは指輪を失くした彼女と、アゲハタトゥーの彼。

まあ指輪の話はちょっと、なんというか、「終わり、コレ?」的肩透かしを食らった気分になったかな。

なんというかですね、ベタなんですけど、作者さんのキャラクターに対する愛情もさることながら、人間に対する愛情ってのがとても心地よい作品ですね。柴田よしきてんてえの本は。そんなに読んでないながらもいくつか読んだ中でこのシリーズが一番好き。物凄く人間が優しい。